August 14, 2007

あるひ とつぜん

P1000168

                                                                                   

                                                                         

あるひ とつぜん

あるひ とつぜん 

いなくなってしまった 

たいせつなひと

うしなってしまったもの 

こわれてしまった まいにち

 

こころに あながあいたようで 

たいせつな だれかや なにかを 

おもいだすたびに 

ふりだす あめに ふるえてしまう 

なみだが でそうになる

 

いちにち いっしゅうかん

いっかげつ いちねん 

ときが すぎても 

その あなは うまることはない

けれど 

いつからか そこに 

おひさまの ひかりが とどき 

くさが はえ 

ことりが あそびにくる

はなも さくように なる

あなは かわらずに 

そこに あるけれど 

もう あめで 

ぬれてばかり じゃない

そこに さくのは 

だいすきな あのひとの 

えがお ことば ぬくもり 

たいせつな あのばしょの 

おもいで つながり なつかしさ

こわれてしまった 

まいにちの ねっこが 

しっかりと そだっていく 

つよく やさしい 

いのちの たねが まかれる

すこしずつ あるいてみよう 

あなを のぞいて

かぜを みかたにして

たくさんの てが ことばが

まっているから

きぼう という

つぼみが ふくらんで 

みらい という

はなが さくように

こころのふたばを 

そだてよう 

そらを めざして 

のびていくように

たくさんの 

ちょうちょや みつばちが 

ゆきかう 

いちめんの 

おはなばたけに 

なるように

とおくから 

ちかくから 

あなたの ために 

いのっている ひとが 

いることを 

わすれないで

| | Comments (0) | TrackBack (0)

October 30, 2004

ある日 ここから

ある日 ここから
だれかが いなくなる
ひっそりと 穏やかな退場

本のページからひとつ
文字がなくなるように

ケーキからひとつ
苺が減るように

空からひとつ
雲が消えるように

いなくなってしまう だれか

だれかを思う人たちは
分厚い事典のように
しぼんだシュークリームのように
雨を降らせる黒雲のように 悲しむ

けれども 他の人たちには わからない

本のどこの文字が
なくなっているのか

ケーキの苺が
いくつあったか

空の雲が
どんな形だったか

それでも 人はみんな
それぞれの たいせつな
本を読み ケーキを食べ 雲を眺める

ある日 ここには
だれかが やってくる
ゆったりと 目覚めるような入場

本のページにひとつ
文字が足されるように

ケーキにひとつ
苺が増えるように

空にひとつ
雲がうまれるように

やってきてくれる だれか

だれかを見つけた人たちは
なつかしい絵本のように
焼きたてのクッキーのように
青空を渡る飛行機雲のように 喜ぶ

そうして 他の人たちにも わかる

本に書かれた
はてしない物語

口に広がる
ケーキの甘さ

空に描かれた
雲たちの絵画

だから

本を広げよう
ケーキを囲もう
雲を見上げよう

ここに そこに
あなたの中にいる
だれかのために


 

| | Comments (4) | TrackBack (0)